マインドフルネスの効果は?論文のような科学的なものもあれば非科学的なものまであります。
マインドフルネスという言葉は、日本で耳にするようになってきたのは、心理臨床の世界でも2010年になってからの事。
では世界ではどうか??と見てみると、国立情報学研究所が提供するデータベースCiNiiで論文検索をすると2001年~2005年で6件のヒットがあったようです。
しかし、2011年~2013年のわずか3年で108件とその数は20倍近くに増えており、近年ではさらに研究が進んでいます。
このように、マインドフルネスに関する書籍、論文が増えていると同時に効果や効用に関する研究も裾野を拡げており、健康心理学だけの研究だったもが、今で総合失調症などの精神疾患や右脳などの能力開発の分野としても、研究が進みはじめています。
そのため、今では経営学、リーダーシップ論、人材開発、セラピーなどでもマインドフルネスは導入されていますし、世界の経済人が集うダボス会議でも2012年以降はマインドフルネスが話題に上げられています。
そんな世界のエリートや研究機関などがこぞって注目するマインドフルネスに期待される効果効能とは何か??
ここでは、その点をまとめましたので、参考にして下さい。
マインドフルネスによる効果 科学的な根拠
上記の通り、20年近くマインドフルネスの研究が進んでいますが、科学的な研究では様々な事が実証されてきており、
- 慢性疼痛、喘息、糖尿病などの身体的病状の改善
- 不安、不眠、恐怖症、摂食障害など、」精神的な困難な状況を改善させるもの
- 学習や記憶、感情のコントロールに関する脳の領域の活性化
- 思いやりや共感、心理的な機能の向上
- 交感神経系を落ち着かせ、副交感神経神経を活性化
などの効果が見られています。
また、Facebookやgoogleといったシリコンバレー企業も導入しており、それぞれの企業での効果や効能を紹介していますが、ここではgoogleがマインドフルネスを導入した事で変化した点をまとめますと、
- リーダーが長期的な視点、中期的な視点で物事を考えられるようになった。
- マインドフルネスをしない社員にも影響を与え、組織全体が強化された。
- 偏見や先入観に囚われず、全体をフラットに見れるようになった。
と言った人材開発、能力開発の効果があったと報告されています。
また、ハフィントンポストの創設者であるアリアナ・ハフィントンは、現在マインドフルネスを広く普及させる活動者の一人です。
なんでも2007年4月に極度の疲労に倒れ、頭を負傷した事や家族との関係悪化もあり、自分の人生を見直したそうです。
その時に、社会的な成功やお金や権力も大切ですが、終わりのないストレス、睡眠不足、燃え尽き症候群の懸念もあってマインドフルネスに取り組んだそうです。
結果的に、マインドフルネスを続けた事で家族との関係性の改善だったり、身体の不調も減ったとの事で、劇的な改善がなされたようです。
もう一つの事例ですが、アリゾナ大学のコンピューター科学者と神経科学者は、人事部の管理職45人を対象にある実験を行いました。
その実験とは、被験者の3分の1には8週間の瞑想訓練を命じ、次の3分の1には身体をリラックスさせる訓練を行い、最後の3分の1には何もさせないというものでした。
そして、実験終了後に全てのグループで「マルチタスクでストレスに強いグループ」をテストしたところ、瞑想グループが一番長い集中力を維持し、またテスト中のストレスも軽減されていたそうです。
このような効果効能の例は、たくさん論文や書籍で報告されています。
マインドフルネスの効果 脳内で起きている変化
次に、マインドフルネスによる効果として、「加齢による脳の灰白質の減少が少ない」というデータもあります。
何でも長年瞑想に励んでいる方は、大脳皮質の脳回形成が盛んになり、脳の働きが活発になり、前頭前皮質や右前島皮質も厚くなると言われています。
そのため、注意力、自己や他者の気持ちを認識する能力に向上が見られる結果になっています。
マインドフルネスの効果 論文より
大阪大学の林紀行先生の論文を拝見すると、
- 不安や抑うつ症状に大きな改善が見られた事。
- テロメラーゼ活性を有意に低下させた事、健康長寿に繋がる可能性が。
- 身体化障害など心身症にも中等度の効果を示している事。
- 統合失調症のような幻覚、妄想を伴う疾患にも有効だが、宗教的な介入が症状を悪化する事もあるので症例を選ぶ必要がある。
- 乳がん患者にも効果が見られる。
といったまとめが見られ、上記で説明してきた裏付けにもなっています。
マインドフルネスの効果 まとめ
マインドフルネスの効果・効用が注目される理由がとてもわかり易い一方で、先ほど紹介したgoogleでは全ての社員に教養しているわけではなく、奨励するというものです。
よって、取り入れようと思われる方は取り入れますし、不要だと判断する人は取り入れていません。
管理人も同じ考えで、マインドフルネスに可能性を感じたり、自分には必要だ、と思う人には是非取り入れて頂ければと思います。
その中でも個人的な願いとしては、
- 企業の社長はご自身が取り入れて、従業員の心身の健康を守るために、企業風土にしてほしい。
- 学校には子どもたちと先生方が一緒になって取り入れてほしい。
- 官公庁では、市民の手本となるよう、また職員の心身の健康を守るために取り入れてほしい。
という想いは持ち続けていますし、これからも日本に、世界にマインドフルネスを文化とする拡がりをやり続けていきたいと思っています。
以上、マインドフルネスの効果や効能についてまとめました、参考になれば幸いです。